新しい曲に挑戦する際、どんな準備が効果的なのでしょうか?歌いやすく安定したパフォーマンスを実現するために、最初にやっておきたい重要なポイントを解説します。これを実践すれば、次のレッスンでも曲のクオリティが格段にアップすること間違いなしです。
次の練習曲を決めよう
ベリーメリーミュージックスクールで毎年行われている「ベリメリ検定」↓↓↓
≫ ベリメリ検定とは?
日頃のレッスンの成果をレコーディングテストという形で挑戦していただくものです。
その「ベリメリ検定」も終わり、結果成績がみなさんのもとに届く頃ではないかと思います。
そして次はどんな曲に挑戦しようかと考える頃だと思います。
12月という時期もあり、次曲の選定や相談が名古屋校のレッスンでも増えています。
今回は新しい曲の練習を始める際に考えたいこと、手始めに取り掛かっておくと、その曲への安定感がグッと上がる幾つかのポイントを紹介します。
地声の最高音がマッチ出来ているか
プロ歌手や原曲のように歌うために一番大きなポイントとなるのが「曲中での地声の最高音を地声で出せているか?」です。
もし最高音を地声では出せず、裏声になってしまったとします。音程さえ外れていなければ音楽的には問題ありませんが、力強さや雰囲気という面では原曲とは違った印象を与えてしまいます。
「好きな曲だから」と慌てて決めてしまわず、1曲を通して最後までどんな高さの音程が出てくるかを確認してください。 その音が自分の声で余裕を持って発声できる高さなのかどうかを理解しておくと、曲に向き合う際に余裕を持って取り組むことができます。
また、1音だけを発声するときは出せる音でも、曲の流れでその音が出せないことがあります。
1音を発声する際は息の残量がほぼ100%なので発声できますが、曲中ではその音に至るまでに他の音で息を使ってしまうからですね。
最高音を確認したら、その音が出てくる箇所の前後も含め、1フレーズを丸ごと繰り返し練習することをおすすめします。
裏声の箇所を明確にしておく
裏声を上手に使うために一番大事なことは「準備」だと思います。
生徒さんを見ていると、「地声が無理そうだから裏声に逃げてしまった」というケースがよく見られます。
例えば、1オクターブ上のレ・ファ・ラという3音のメロディがあり、レ・ファが地声、ラが裏声で歌うべきフレーズだとしましょう。この時に、ファの音がどっちつかずになったり、地声と裏声が混ざってしまったりすることがあります。
このように裏声が出てくるタイミングを曖昧にしてしまうと、歌声の安定感が損なわれ、最悪の場合、変な声を聞かせることになります。
裏声は地声と比べて息の消費量が多くなるため、息の残量を意識しながら歌うことが必要です。裏声に入る前に、息の残量や腹圧の調整を意識し、しっかり準備してからそのフレーズに入っていくことが大切です。
ブレス位置や量をチェック
新しい練習曲を考えなしに歌っていると、ブレスの位置や量が歌うごとに変わってしまいます。
息が安定していると、発声も安定し、歌の上手さにも繋がりますので、ブレスを入れるタイミングやフレーズごとの呼吸量をしっかり考えてから取り組みたいです。
歌う際、無意識に日本語の「文節」でブレス位置を決めてしまうことが多いですが、歌において優先すべきは「音符間での呼吸」です。
音符の間で息継ぎをする隙間を見つけ、次の発声に十分な空気量を準備することが大切です。
練習方法としては「歌メロディをリコーダーやラッパで吹いてみる」というやり方があります。
息継ぎを意識することで、息継ぎ後の発音に余裕とパワーを持たせる感覚を養うことができます。
最後に
新しい曲に挑戦する時、「とりあえず歌ってみよう」と思うことはよくあります。それ自体は楽しいものですが、その後の考え方や練習方法が重要です。
「思ったより苦しい」「上手く歌えない」と感じた場合、その曲を諦めてしまう前に、その原因を考えて改善、それをまた次に活かせるようにしましょう。
歌のポテンシャルを引き出すためには、感覚に頼るだけではなく、きちんと理論的に準備して歌うことが大切です。
レッスンで他にも気になる点があれば、ぜひ気軽に質問してください。ベリーメリーミュージックスクールでお待ちしています!
この記事を書いた人
大学在学中、大阪を中心として音楽活動開始。YAMAHA MUSICQUESTをはじめ、数多くのコンテストに合格。大阪でのインディーズCDリリースやバンド活動を経て2002年ACE OF HEARTS よりソロシンガーソングライターaoiとしてデビュー。