メロディーを歌う上で、出したい音程を狙うとしても「どのタイミングでその音程を出すのか?」が正確でないと必要なタイミングで必要な音程を出すことは出来ません。リズム感を鍛える事でより上手くなりましょう。
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はじめに
皆様1ヶ月ぶりのご無沙汰です。
八王子校、横浜校チーフの
本田‘POM‘孝信です。
寒暖差が激しいですが
皆さま体調など大丈夫でしょうか?
さて!
早速今回の声模様スタートです。
カラオケ採点が世に広まって以来!
気になる方も多い「採点システム」
テレビ番組等でもそのシステムを利用した企画を良く見かけますが
皆様はカラオケに行った際に
チャレンジしたことはありますか?
レッスンに来られる生徒さんには
この採点レッスンにて何点以上取る!
などの目標を持ってレッスンされている方も
沢山いらっしゃいます。
マイクから入力された音声をAIが解析して
正しい音程やリズム
そして更に、加点ポイントとして「しっかりした声(音圧)」「ビブラート」などなど
高度な採点が出来るように進化してきている様です。
ゲームコーナーにある『太鼓の達人』などは
リズムのみの正確性を問われるゲームとして有名ですが
タイミングが外れてしまうと減点対象です。
音楽を構成する3大要素は
『メロディー(旋律)』『リズム』『ハーモニー(和音)』
歌にとって、音楽にとって
リズムが如何に大切かが分かります。
リズムとは?
リズムとは何ぞや!?
リズムはある意味
「小節という枠の中にある一定の安定した規律」だと言えます。
心臓の鼓動は必ずしも規則的ではありませんが
乱れると不整脈として
あまり良くないものとなります。
そして恋をするとそのテンポが上がります。
ある意味リズムが乱れています。
不整脈です(笑)
また、時計の秒針はBPM(テンポ)60というスピードで規則的に正確に動いています。(誤差あり)
※BPMは、Beat Per Muniteの略で
1分間に何回打つか?の基準となります。
音楽では
小説を、音符を
正確な間隔に分断できたり
休んだり(休符)
細かな音を何個か繋いで
長さを変えたりもします。
定規は一般的には最小単位として
mm(ミリメートル)
そのひとつ大きな括りとして
1mmが10個集まったcm(センチメートル)があります。
音楽のリズムも同じ様に
16分音符(♬)が4個で一拍
8分音符が2個で一拍
一拍が4個で一小節(4/4拍子の場合)
などのように枠の中に更に等分された
細かい音符があります。
心臓や秒針の様に
基本的に安定したリズム(ビート)を奏でることで
リスナーは安心して音楽に耳を傾け
身体を預けることが出来ます。
そして、その時の気持ちによって
速いテンポのゴキゲンな曲や
遅いテンポのバラードなどなど、、
チョイスは様々です。
今回の声模様では
安定したリズムで歌うための
認識や技術を知ることで
歌が上手いと言われる方々が
何故リズムが良いのか?
を考えてみたいと思います。
何故リズム感が良いと歌が上手く聞こえるのか?
さてここで本題です。
何故リズム感が良いと歌が上手く聞こえるのか?
先ずは安定したテンポ感覚について、、、
人は過去を携えて未来を予測しながら生きています。
大げさですよね(笑)
でもホントにそうです。
過去経験を活かして先を予測
同じ過ちを繰り返さない学習能力は大切です。
リズムに関して言えば
イントロから始まる安定したビート(テンポ)が
身体に馴染み次の展開へと進んでいきます。
人生の出来事の様に様々なタイミングで
アクセント(山や谷)がありますが
朝が来て昼が来て夜が来て、、
の24時間
一定の括りの中に様々な出来事が
起こります。
イントロでスタートしたテンポは
基本的には曲が終わるまで
脈々と一定のテンポで進みます。
予測したタイミングで音が運ぶと
違和感なくストレス無く
心地よく音楽に浸れます。
そしてその枠の中で
『このタイミング』でこの高さ(音程)
『また次のタイミング』で
今度はこの音程、、、の様に
必要なタイミングで正しい音程を
奏でる事で心地よいメロディーが
響きます。
音楽には和音(ハーモニー)があり
少しでもタイミングが外れると
その和音には相応しくない音になる可能性があります。
リスナーは予測したタイミングで
その音が奏でられない事に
少なからずストレスを感じます。
なんの心配もなく予測したタイミングに
正しい音が鳴る事で
人は心地よさを感じます。
これが一つの『歌が上手い人』
という認識にも繋がります。
そして、音程とは曖昧なものです。
人間が1オクターブを勝手に
半音階で12個に分けただけです。
例えば
ギターと違いバイオリン等は
音程を区切るフレットというものが存在しないので
その曖昧な音程も容易に鳴らすことが出来ます。
ギターもチョーキングという技法を使うと
同じ様に曖昧な音程を奏でることが出来ますが
人間の声帯も弦のようなもの!
引っ張って伸ばすことで音程がが上がり
緩めると音程が下がります。
曖昧な音程も鳴らせます。
言葉では少し伝わりづらいかもしれませんが
リズムを把握していると
「どのタイミングで声帯をどれくらい伸ばすのか?緩めるのか?」をコントロールできて
正しいタイミングで正しい声帯の状態を作ることが出来ます。
歌の技法で言えば…
- 下から持ち上げるように音程を合わせる
「シャクリ」 - 語尾で音程を自然に下げる
「フォール」 - ロングトーンなど、伸ばしている音に音程やリズムの変化を付ける
「フェイク」
などなど
音から音への移行の際に
曖昧な音を奏でる事で
表現に細かなニュアンスを加える事ができます。
リズム感が良いとタイミングを測って
「シャクリ」や「フォール」などの曖昧な音程からスタートし
声帯を伸び縮みさせて
必要なタイミングに適切な音程を狙って合わせていけます。
コブクロさんの「桜」の様に
16分音程を引っ掛けたシンコペーションが多発する曲も
口を縦に開きながら拍頭に母音を
置きに行けたりすることで
フレーズの波が綺麗に整います。
リズム感が育てば
細やかなコントロールが可能になり
上記の様な表現も正確に使えるので
歌が上手く聞こえます。
だから歌が上手い方はリズムが良いとという事にも繋がりやすいです。
どうすればリズム感が良くなるのか?
では!
どうすればリズム感が良くなるのか!?
手遅れだと思っている方も居るかもしれませんが
大丈夫ですよ!
ほんとんどのみなさんが
リズム感悪くないのに
悪いと思っています。
先ず、「自分はリズム感が悪い」
と口に出す「諦めの気持ち」
が良くありませんし
不必要です。
弾みながら歩くスキップが出来れば
リズムトレーニングでどんどん分かってきます。
さて本題です。
リズム感を育てるには
身体に(感覚に)どんどん細かいリズムを増やしていく必要があります。
少し項目に分けてご説明させて頂きます。
①メトロノーム(クリック)と友達になりましょう。
8分音符の裏拍にメトロノームむを鳴らしながらアカペラで歌う練習をしましょう。
手拍子でリズムを叩く時に
メトロノームの音は手が離れるタイミングで鳴ります。
これはリズムについて
しっかり把握できている講師に監修してもらいながらやらないと難しいと思いますが
理解できれば簡単です。
ベリーメリーは全講師がプロの現場でレコーディングやライブをしてきているので
現場経験含めリズムについて
深く把握(理解)できています。
安心です。
メトロノームは機械なので
もちろんリズムが正確です。
メトロノームを友達にして
トレーニングし続けることで
いつの間にか、幻聴のように
安定したリズムが聴こえてきますよ。
②裏拍で膝を折る練習をしましょう。
日本人は子供の頃からの学校教育で
頭拍を揃えることばかり習ったり
農耕民族がゆえに
力を入れる時に耕すように下向きに力を入れるクセが付いてます。
頭拍で膝を折るのは慣れていて簡単ですが
裏拍で膝を折って頭拍では体が真っ直ぐ伸びている様にリズムを取れたら
裏拍がどんどん身体(感覚)に刻まれていきます。
難しければ歌いながら裏拍で手拍子する練習から始めてみましょう!
裏拍の認識が深まります。
③打楽器を演奏出来る様にしましょう
シェーカーやマラカスなどの
振り物の楽器を習得すると
16分音符の刻みも身体に馴染んできます。
刻みが多ければ多いほど
一拍の長さが短くならずに安定してきます。
(誤差が減る)
④シンコペーションを学ぼう。
シンコペーションは、たいてい
裏拍の音符と次の頭拍の音符が繋がっている音符です。
一拍が基準のシンコペーションもありますが
メロディーには至る所に
沢山のシンコペーションが存在しています。
などなど沢山のトレーニング方法がありますが
先ずは以上の様なトレーニングで
身体に規則的で細かい刻みを
入れていく事でリズム感は育っていきます。
是非試してみてくださいね。
アンサンブルの大切さ
アンサンブルとは複数人で生演奏で音楽を奏でるもの
弦楽四重奏やオーケストラ
バンドもそうです。
他の演奏者の演奏内容をしっかり聴きながら呼吸を合わせて音を奏でます。
自分のリズム(タイム感)と他のメンバーのリズムを合わせることで
楽しく音楽を奏でることが醍醐味です。
カラオケだって
正確なリズムを奏でる相方さんだと思えばアンサンブルです。
人の音を人のリズムをしっかり聞いて
自分の音を出す。
この作業は、間違いなくリズム感を育ててくれます。
人の話を聞ける人はコミュニケーション能力が高まります。
人と人とのコミュニケーションもアンサンブルです。
同じ様に人の音を聴けるようになると
楽しく音楽を奏でることが出来るようになります。
終わりに
リズムトレーニングにてリズム感が育つとどうなるのか?
何が出来るのか?
ここが大切です。
リズムが正しくなれば
必ずしも良い歌になるわけではありません。
テクニック的には最低限の基礎的な枠組みが出来るだけです。
リズムを知りコントロール出来る様になることで
表現へと結びついていきます。
表現力も磨きながら!
少しずつでもリズムについてトレーニングし
理解して行くことをオススメします。
リズム感を育てることは
必ず表現力を豊かにする助けになります。
「上手い歌声」を誰かにとっての
「良い歌声」に!
先ずは身体を動かして
結果身体の中にリズムが宿る
リズムの海を自由に泳げる様になれば
歌い手もリスナーも楽しく音楽を共有できる様になると思います。
歌が上手いって事は
それぞれに好みもあるので
なんら絶対的なものではありませんが
少なくとも心地よいリズムで奏でられる事で近づけるものだと確信しています。
理詰めのリズム解説でしたが
是非とも体を動かして
音楽と戯れながら歌を歌ってほしいです。
八王子校・横浜校チーフ
本田’POM’孝信
この記事を書いた人
レッスン中も得意の駄洒落を連発する癒し系講師。所属するバンドcan/goo(アニソン中心)はキングスーパーライブ2018(東京ドーム)にて水樹奈々、宮野真守など豪華アニソンシンガー等と共演♪作詞作曲家としての視点も持つ。