ボーカル(ボーカリスト)としてのライブステージでの歌唱中のアクション(パフォーマンス/ステージング)が「わざとらしく」ならないための「第一歩目」の練習方法を解説していきます。
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ライブは「歌唱力」だけでない?
ベリーメリーミュージックスクール名古屋校では、来たる2024年11月3日に発表会ライブイベント「MIX LIVE」が行われます。
今回で「34回目」になります。
普段の僕ら講師とのマンツーマンレッスンの空間から飛び出し、生徒さんの日頃の成果をご家族や知人の皆さんに観てもらう晴れの舞台です。
文字通り「舞台」です!
すでに出演の決まっている参加生徒の皆さんは、歌唱の上でやり残しが無いかや自分が立つステージを想像しながら詰めのレッスンを行っています。
その中で、今回が初めてのライブだったり、まだライブに慣れていないという人が苦戦しているのが「手振り身振り」「アクション」「歌い姿」などの「魅せ方(ライブパフォーマンス)」ですね。
ライブにおいて「歌唱が良ければオールOKか?」と言いますと「そうではない」です。
歌が良くても、緊張した表情で「棒立ち」で歌っている人を見ると、凄く勿体無いし感動も半減するなと感じます。
せっかく鍛え上げた「歌唱力」を発揮出来ても、ライブを観に来た人には「何か足りない」思われてしまします。
その「何か」が「動き」だったりします。
今回は「少しの知識」と「少しのコツ」で「魅え方」が大きく変わる方法を紹介したいと思います。
マイクの位置とイントロの対策
まずは、上記動画のマイクを持つ「手の位置」を見てください。
このように「ずっと口元で構え続けている」ということはないですか?
よくあるのが「イントロ、あるいイントロ前から口元にマイクを構えてしまう」というパターンです。
気持ちは凄くわかるんです。
「いつでも歌い出せる体勢」は安心しますもんね。
でも、これが一番「ライブに慣れてない感」を出してしまいます。
さらに「緊張感」がお客さんにも伝わってしまい、聴く側に身構えさせてしまいます。
「拍」をしっかり捉えて「歌い出しの1小節前」からゆっくり口元に持って行くでも十分間に合います。
そこで困ってしまうのが「イントロの間は何をすればいいのか?」ですよね。
例えば、他のアーティストの真似をするのも良いでしょう↓↓↓
- 物憂げな目線を客席の向こうに投げかけてみる
- マイクを持ち上げて客を盛り上げてみたる
- 派手に足でリズムを刻んでみるなど
それらも「パフォーマンス」の一部であり「カッコよさ」にもつながります。
口元にマイクがあると、それらが制限されてしまいます。
試しに「イントロ中はマイクを上げずに体を揺らしてみる」を行ってみてください。
「おっ?なんかプロっぽいな」と、自身でも感じられるはずです。
ブレス(息継ぎ)でも魅せる
曲のイントロや間奏以外にマイクを口元から離すことを意識をしてほしいのが「ブレス」のタイミングです。
もちろん、凄く短いブレスの時にまでこだわる必要は無いですが「長めのブレス」の時に口元からマイクを少し離すことを意識をしてみて下さい。
マイクが口元にあると動きが制限されてしまうのは同じなのですが、単純に「顔が見えない」んです。
思っている以上に。お客さんからはアナタの顔が見えないのです。
歌唱中は仕方がないのですが、そんな歌唱の中での「一瞬」の横顔や悲しい表情、睨みを効かせた熱い顔などそういう場面が聴き手の印象に残りやすい場面でもあります。
マイクを持たない手の動き
続いては「マイクを持たない方の手」についてです。
「手の動き」としては、こちらの手が花形になると思います。
よく見るのが、上記動画のように「軽く指を曲げた形」ですね。
僕はこれを「ピグモンの手」と呼んでます。(ウルトラマンの怪獣)
きっと歌唱や緊張の中で、その手に意識がいってないとこうなってしまうのでしょう。
意識できるとしても、どういう動きをすればいいかわからないですよね。
そこで1つだけ覚えて練習してみて下さい↓↓↓
【手をバスに見立てて、これからそのバスが3つの停留所を巡回しますよ】
・・・という練習方法です。
例えば、1つ目は「胸」、2つ目は「前方の遠い位置」、3つ目は「耳の横」など、適当に決めてみて下さい。
その順に「手」というバスを走らせます。
時にスピードを出しても良いでしょう。
時にノロノロ運転でも良いと思います。
速度に変化があった方が自然に見えると思います。
大事なのは「自身の中でバス停を決めてある」ということです。
これが「安心感」にもつながりますし「地味に見えない安定感」にもなります。
体の動きのコツと練習方法
「手」の動きは、あれこれできるようになってきたと思います。
次は「体」の動きです。
体を「ひねる」動きが出来るようになると、自然に足の動きもついてくるようになると思います。
同時に「マイクを持たない手」の動きも左右上下と「大きな動き」に変わると思います。
ただ「歌いながら体をひねる」のは、ちょっと難しいかもしれません。
マイクから口を離すわけには行かないですし….。
そこで【マイクについて行ってみる】ことを意識してみてください。
自分から体やマイクを動かそうとするのではなく「マイクが生きていて、勝手に飛び回って、体を引っ張っていく」と思い込みます。
マイクが右側に飛んで行こうとすると「マイクを持つ手」はついていきますよね。
その時点で体は結構ひねれていますし、口もついていくことで「目線」も真正面から外れることになると思います。
同時に「手バス」も走らせればかなり派手な動きとなっていると思います。
鏡を見ながら行ってみたり、スマホで動画で撮ってみたり、ひたすら繰り返して練習します。
その中で「カッコイイ動き」を見つけてみてください。
歌詞を体で表現する
ここまで出来れば、自分で色んなバリエーションを加えることは難しく無いと思います。
その「動き」は、どんな曲でも使えると思います。
ただ、できればその曲には「その曲ならではの動き」で表現したいですよね。
そこで効果的なのは「歌詞にリンクした動きをつける」という方法です。
「雨が降る」という歌詞があったなら、下の方や客席を見るより「少し見上げた目線」や「首の角度」を作れた方が曲の世界を感じさせられると思います。
「花を撫でる」を表現しようと思ったら「ピグモンの手」にはならないはずです。
「歌詞」と「動き」が相まった瞬間は、聴き手の印象に残りやすいものです。
ただ、これを「多用しない」ように注意します。
するとしても「1コーラスに1個2個くらい」がカッコイイかなと思います。
最後に
今回は「動き」のための「ほんの入り口」の話をしました。
実際のレッスンでは「1レッスン」で済ます内容です。
でも「たったこれだけ」でライブ中の動きが「大きく」変わります。
そして、何より生徒さんは皆必ず「楽しい」と言います。
「動くなんて恥ずかしい」って気持ちは、技術に没頭して忘れてもらえたら嬉しいです。
「動き」が分かれば、ステージ上で緊張してジッとしている暇は無くなります。
さらにもっと色んな「動き」を突き詰めたいという人は、是非ベリーメリーミュージックスクールへお越し下さい!
この記事を書いた人
大学在学中、大阪を中心として音楽活動開始。YAMAHA MUSICQUESTをはじめ、数多くのコンテストに合格。大阪でのインディーズCDリリースやバンド活動を経て2002年ACE OF HEARTS よりソロシンガーソングライターaoiとしてデビュー。