雨の京都もなかなかの風情です。
昨日は丸一日”しとしと雨”でした。
ベリメリ京都校の4FはレコーディングやDTMのフロアーで、
そこのブースで私のほとんどのレッスンを行っていますが、
窓から見える南の景色がなんとも絵画的です。
すぐ近くに東本願寺、向こうに京都タワー、そして京の街を南北に分けるランドマーク京都駅ビル。
それらがほのかな雨で潤って光って、賑やかなのに古都の静寂を感じさせてくれます。
京都校の吉田です。みなさんレッスン頑張っていますか?声を張り上げてますか?
今日はハイトーン・高音のことを書きたいと思います。
1 「ハイトーンを伸びやかに出せるようになりたい!」
そう願ってベリーメリーに入会される方も本当に多いです。
もちろん私たちが理詰めで導くことをサボらず熱心に実行すれば、
最短期間でハイトーンをキレイに出すことはできますが、その前に
ハイトーンのイメージを明確化しておきましょう。
まずR&BやJ-POPの常識から考えて、地声のトップキーが、
男性ボーカルなら G#/A/A#がキレイに出るかどうか。(例;ミスチルやチャゲアスのサビの高い所)
女性ボーカルなら B/C/C# がキレイに出るかどうか。 (例;Superflyやアイコのサビの高い所)
MIXボイス系の女性なら E/F/F#あたりまで抜けて出るかどうか。
次に、ロック系&16ビートPOPS系なら絶対的に「地声のパワフル&伸びるハイトーン」。
J-POPのスロー&ミドルバラード系なら「MIXボイスorファルセット(裏声)の息づかいハイトーン」。
この2つに大別できます。もちろん完全ファルセット(裏声)のハイトーンやウイスパー系の
それもありますが、まずはこのふたつのどちらか、または両方狙って鍛えてゆくのがベストでしょう。
2 ハイトーン=息を吐く量=吐き出す力=それに見合う肺活量=体力・筋力・体幹
当たり前ですが、息を大きく吐けないと大きい声は出ません。上述の通り、地声のハイトーンは
その最たるものです。でもMIX系やファルセット系のハイトーンはそこまで体力勝負ではなく、
技術力勝負です。ご本人のもともと持っている声質と大きく関係もするので一概にどのハイトーンを
目指してレッスンしてゆくかという方法論には個人差があります。でも上記2WAYSは基本的必須です。
正直な所、自分の地声のトップキーも知らない、自分がMIXボイス系かどうかもわからない人が
ほとんどなので、レッスンでは生徒さんの声を深く聞き分析した上で最良の方法をとります。
3 まずは声が①まっすぐ出せるか②アタック音があるか③クレッシェンド(徐々に強く)してるか、です。
たくさんのシンガー(プロ・アマ問わず)を見て、教えてきて感じることですが、
歌唱のベーシックなセオリーを無視している人が多そうです。上手くなりたい・
高音出したいと切望している割に、やみくもに歌っているだけ、安直にネット情報に
翻弄されている人が多いと思います。または、誰かの歌唱を間違って真似てるパターンです。
スポーツと同じ風に考えるとわかりやすいですが、ボールをまっすぐ勢いよく投げる・打つことが
できていない人にどんな変化球の技術を教えても意味がないように、ボーカルもまっすぐ声が出ていない人には
ビブラートすら教える段階ではないと思います。発声直後のビブラートなどは音程を揺らし不安定にするだけで
まずプラス効用はゼロです。ですから、その「まっすぐ勢いよく声を出す」ための訓練と技術をまず学ぶのです。
R&BやPOPSのピン歌唱(合唱ではないという意味)では、
顎が上がってのけぞってしまうともう高音はキレイに出ません。
体幹の力の伝え方の原則からすれば、声に体重を乗せるイメージで胸から下の腹部を使うには、
陸上やボクシング、空手、柔道、テニス、バドミントンなどと同じく
「しかるべき前傾姿勢&まっすぐから下めに声を投げつけるように体重乗せる」ことが
ハイトーン地声発声でも必要です。というかそれが命です。
4 「えっ!?そんな低いキーからファルセット(裏声)なの?アカンやろ!!」
ボーカルは楽器と違って、そんなに低音では歌いません。例えばギターの6弦はEですが、
これをE1と考えれば、ボーカルではほぼその1オクターブ上のE2から上でしか使いません。
つまり、どのあたりの低音からどのトップキーまでで歌うのかが「レンジ(幅)」です。
そのレンジの中で、ちょっと高いキーだと感じると全てファルセット(裏声)で歌ってしまう人が
体験レッスンで多く見受けられます。これは良くありません。結論を先に言いますと、
①男性ボーカル 地声でせめてFかF#まで立派に出せて、そこから上はファルセット。
②女性ボーカル 地声でせめてAかA#までキレイに出して、そこから上はファルセット。
というのを最低の基準としてレッスンを繰り返し上昇しないと良くはなりません。
ハイトーンボーカルの地声系を目指すのであれば、上記の「せめて〜〜」のキーが
それぞれ男性でG#かA、女性でBかCになります。
地声のレンジを広げて、さらにその上にファルセットが乗ることでトータルで、
歌唱表現の幅が広がり、カラフルで魅力的になりますし、オリジナル曲を作っても
サビが抜けてくるキーレンジでメロディーを当てることができます。
ちょっとだけ小難しい話になりましたが、とってもとっても大切なことですよ〜。
じっくり・まっすぐ・どっぷり練習して色鮮やかな魅力あるボイスをあなたのものにしましょう!
この記事を書いた人
ベリーメリーミュージックスクール京都校のチーフです。