【ボイトレ】歌うとき「表現」の種類とコツと練習方法(抑揚など)

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【ボイトレ】歌うとき「表現」の種類とコツと練習方法(抑揚など)-02

歌うときに、その曲・歌詞の世界観などを「表現」するための抑揚などのテクニックの種類、そのコツと練習方法です。「ニュアンスについて」「レガートとスタッカート」「ダイナミクス」について。

「ニュアンス」について

「ニュアンス」という言葉を辞書で調べると、以下の様に記されています↓↓↓

ニュアンスとは、言葉や表現に含まれる繊細な意味や感覚を指すものである。直訳では表現しきれない細やかな感情や意図、雰囲気を伝えるために使われる。言葉の選択や文脈、話し手の意図によりニュアンスは大きく変化するため、それを正確に理解するにはコミュニケーションの経験や文化的な背景の知識が重要である。

例えば人と話す場合、自分の頭の中の「伝えたい事」を出来る限り分かりやすく説明する事で細かい気持ちや意図を伝えようとします。

ただ、自分の意図を出来るだけ率直に伝えるつもりで話しても受け取り側の受け止め方や状況によってはストレートに伝わらない事もあります。

冗談交じりで話したつもりでも、真に受けてしまい機嫌を損ねたり…

音楽も同様で、例えば「失恋したばかりの人」と「昇進したばかりの人」では「受け止め方」がかなり違ってくると思われます。

音楽においての「表現」は、歌詞が同じでも歌う人のその時の感情にも左右されるので、その都度、表現に影響してきます。

本当に様々で奥が深いです。

でも、難しく考える必要は全くないのです。

大事なのは、素直に歌詞から導かれる言葉を意図した「ニュアンス」で表現できるかどうか?です。

イメージ通りに自由自在に歌いたいニュアンスで歌うためには、様々なアプローチを思いつける自分になることが大切です。

「心の解放」です。

「喜怒哀楽」など、自分なりの心の動きを言葉に乗せて放つトレーニングを積めば、心の扉が開いて自然に感情表現が上手くなってきます。

「話す様に歌える」って本当に重要です。

  • 強調したいところを強く歌う
  • 心が軽やかなら短めの音符でリズミックに歌う
  • 柔らかく表現したければ息を混ぜる
  • 感情が昂ぶればシャウトする

などなど、自分の出したい「ニュアンス」が表現として歌声に出来ます。

そして勿論スキルがないと「表現」は中途半端になる事が多くなります。

表現方法「レガート」と「スタッカート」

【ボイトレ】歌うとき「表現」の種類とコツと練習方法(抑揚など)-01

リズムにも関わっていますのでリズムの講座にも詳しく書きましたが↓↓↓

「音符の長さのコントロール」はとても重要です。

例えば、語尾を例に説明すると・・・

「そうだったんだ」と「そうだったんだー」

・・・ではニュアンスがかなり違います。

前者はクールな印象、後者は少し同情や共感している印象を受けます。

フレーズの頭にもニュアンスがあります・・・

「へーそうだったんだー」と「えっ!そうだったんだ」

・・・ではかなり内容も変わってきます。

フレーズの頭の言葉を「エッジボイス」を使って少し前から長めに引っ張ったり、発する言葉の前に「N」の響きを入れて「ンなんで」と「ン」に力を込めて歌い始めると少し思いが重く強く聞こえたり…フレーズ全体で考えると…

  • 「あのね」を3文字全て短めに簡素に伝える場合
  • 「あ〜の〜ねぇ~」と伝える場合

心の動きや、その時の状況で様々な表現が生まれます。

もしかしたら、全く同じ表現やニュアンスは全く存在しないかもしれないし無理かもしれません。

歌うにあたっては、この様なニュアンスを自分の気持ちと一番近い形で表現するためには自由自在に音符の長さをコントロールするのが近道です。

そこから、更に深い表現力を身に着けていけばよいと思います。

  • 軽やかな「スタッカート」
  • 切なく柔らかいニュアンスを醸し出す「レガート」

そしてレガートとスタッカートを組み合わせて、変幻自在のニュアンスを生成する事が出来る人間って凄いですね♪

「スタッカート」と「レガート」の違いは「子音に付随する母音の長さの違い」です。

母音についても改めて注目してみるのはいかがでしょうか?

表現方法「ダイナミクス」

スタッカートやレガートと同様に「ダイナミクス」も表現方法の一つです。

ダイナミクスには「アクセント」に加えて「クレッシェンド」もあり「強弱コントロール」の目安になります。

人は強調したい言葉を強く発する傾向にあります。

例えば「今日遊ぼうよ」というフレーズを・・・

”今日”あそぼうよ」(太文字を強く発声する)

・・・の様に今日でなければならない事を強調したり・・・

「今日”遊ぼうよ”」(太文字を強く発声する)

・・・の様に、遊びたいことを強く伝える場合などなど、その人の気持ちによってアクセントの位置が変わってきます。

また、クレッシェンドやデクレッシェンド(ディミネンド)など、次第に大きくしたり小さくしたりというニュアンスの付け方も多用されます。

これとは別に楽曲の構成によって強弱を使います。

例えば↓↓↓

  • Aメロは優しく淡々と歌い
  • サビは力強く
  • 落ちサビはまた違う優しさで表現

などなど。

強弱を使ったメリハリのある表現が人の心を動かし共感を呼ぶ表現になるのだと思います。

是非「ダイナミクス」についても参考にして歌ってみてくださいね。