【ボイトレ】子音と母音とを組み合わせた音程トレーニング-やり方

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【ボイトレ】母音と子音とを組み合わせた音程トレーニング-やり方-00

今回は「音程コントロール」についての続きです。「 子音母音とを組み合わせた音程トレーニング」「 体の仕組みから考える音程コントロール」「具体的なトレーニング方法」「歌詞を先読みする力がスムーズな音程運びに」について書きます。

「子音」と「母音」音程トレーニング


日本語は、基本的には「母音だけ」か「子音と母音」で成り立っています。

母音だけ・・・あいうえお(a i u e o)
子音と母音・・・例:かきくけこ(k+a k+i k+u k+e k+o)

歌う際には「狙った音程に子音から当てていく」場合と「子音の後に付く母音で当てていく」場合があります↓↓↓

【ボイトレ】母音と子音とを組み合わせた音程トレーニング-やり方-01

子音で狙った音程に当てる場合は「言葉のスピード感」が増し「リズムも出しやすい」のが特徴です。

母音を発するタイミングで音程を合わせる場合は「滑らかでニュアンス重視の柔らかくエモーショナルな響き」となります。

「スタッカート(出来るだけ短くした音)」の練習では母音の存在が減り、その分正しいリズムで歌わなければズレが目立つことになります。

逆に母音を長く保持して次の言葉の子音に滑らかに繋ぐことで、「テヌート(出来るだけ長くした音)」という表現が身についてレガート(滑らかにつながる)で柔らかい表現になります。

この場合、リズムが後ろになりモタリ過ぎないように注意が必要です。

この子音母音の特性を活かして、オススメしたいトレーニング方法があります。

星座をイメージする方法

メロディーには「音程」と「リズム」があります。

音程は「高さ」、リズムは横(右)へ移動する「タイミング(距離)」で把握します。

「北斗七星(七つ星)」でイメージしてみてください。

空に浮かぶ「星」と「星」を線で結ぶと星座になります。

次の星がどのくらいの距離にあり、どのくらいの高さのところにあるのか?

これはメロディーの動きに似ています。

「星」は子音
「星と星を繋いだ線」は母音

と想定します。

先ずは線の部分を省いてフレーズを歌います。

スタッカートに出来るだけ短い音で星座(フレーズ)の骨組みだけ歌います。

1フレーズ中は、息を吸わずに下腹部の支えを外さないように歌ってください。

音の高さ距離を正しく点で歌うので、正しい音程、正しいリズム(タイミング)がどこにあるのかが明確に見えてきますし感じることが出来ます。

次の音の位置をしっかりイメージして狙わなければ正確に歌えないので、ちょっとしたズレも気になり良い練習になります。

次に、星と星を自由に繋いだり繋がなかったりして歌ってみます。

そうすると「母音の長さを自由に決める力(想像力)」が身についていきます。

そして次の音に母音を長くして繋ぐ場合、じわっと音程を上げながら下から繋いだり、急に横から繋いだり…

…という風に、様々な繋ぎ方がある事が分かります。

自由な表現の骨組みが出来上がります。

そこに「フォール」や「息のニュアンス」など、語尾にニュアンスを付けたり、母音に息を混ぜて柔らかくしたり、ビブラートをかけたり、複合的に思いついた表現を施す事で自分のイメージした歌に仕上げていきます。

体の仕組みと音程コントロール

声帯を息が通って音が鳴ります。

「笛」のようなものです。

また「ファルセット(裏声)」は「口笛」の様なものです。

基本的には、この「声帯の後頭部側」を引っ張り上げたり緩めたりして音程を調整しています。

しっかり引っ張り上げて高い音を出すためには、固く伸びて緊張が高まった声帯をしっかり振動させるためのスピードの速い息が必要になります。

そうすると音程のグラデーションに準じた適切な息のスピードコントロールが必要になります。

例えば「低い音程」を出す時に息のスピードを上げすぎたらどうなるか?

想像してみてください、やってみてください。

安定した低音は不可能です。

逆に高い声を出す時に息のスピードを緩めると…無理ですよね。

変化する音程に適切な息のスピードが必要になります。

音程のジェットコースターの様な変化をしっかり先読みしながら息のスピードを適切に柔軟にコントロールする力は「音程が良い歌」に結びつきます。

しっかりした支え(腹圧)から必要なスピードの息が届くと、声帯や口周り(顎周り)に不必要な力を入れずに動かせる様になります。

「声はお腹から出す」

まさにこれです。

音程良く歌うためには「息の出発点」からイメージしていきましょう。

もちろん、音楽性を高めつつ音感を鍛えていかないと音程の変化を先読み出来ませんが、様々な音程コントロールトレーニングで少しずつ身についてきますので安心してください。

具体的なトレーニング方法


例えば、パ行やカ行の様な息のスピードが必要な言葉でスタッカート気味に音程を点で捉えながらの様々な音程トレーニングをしましょう。

例えば「ド」から「ソ」の音を「ドソドソド…」と交互に繋ぐトレーニングの際に「ド」から「ソ」、「ソ」から「ド」と往復します。

その際に、音程を徐々にゆっくり上げたり下げたりすることで次の音の到達音程まで、曖昧な音を経過しながら繋ぐことができる様になってきます。

音程の到達点をしっかり認識しつつコントロールする感じは「ギターのチューニング」の要領に似ています。

「声帯の伸び縮み」や「息のスピード」についても、意識しながら沢山練習を行うことが重要です。

そして、音程を徐々に下げる時に支えを緩めずに声帯や顎周りだけ緩めるのがコツです。

「支え」が外れるとコントロールしにくくなってしまいます。

「サイレンの音」を声マネしてみるのもヒントになると思います。

出したい音程を明確にして、次の音までをどの様に推移して到達するか?が大切だという事です。

正しい音程をしっかり認識していないと使うことができませんからね。

歌詞を先読みする力

皆さんはカラオケに行って歌う時にモニター画面に出てくる歌詞テロップを読みながら歌いますか?

それとも、何度も歌ってるので歌詞を覚えてしまっていて、歌詞を見ていないですか?

生徒さんの中には歌詞のプリントを渡し忘れても普通に歌っている方が居たりします。

歌詞を覚えて体に入っていると何かしらの余裕がある事は間違いありません。

「門前の小僧習わぬ経を読む」

というコトワザがあるとおり何度もも耳にしたり口にしたりしてると、無意識にその言葉を発することができる様になります。

プロのシンガーの皆さんは、レコーディング(練習込)で何度も歌い脳や身体に刻んでいきます。

ステージでは基本的には歌詞を覚えて歌っている事になります。

歌詞を見ながらだと目線も縛られてしまうし、思うような表現をする余裕もなくなります。

そして更に、言葉が自然と出てくると、口の型(口の中も)が正しく必要な母音の形になり音程コントロールの助けになってくれます。

若い頃に覚えた歌の歌詞は、ほぼほぼ見ないでも歌えたりしませんか?

僕は何曲もそういった曲があります。

英語の歌詞なんて意味も分からず響きと口の運びだけで歌っています。

そして、それらは必ずや自分の歌の自信に繋がります。

音程をコントロール出来るためのトレーニングを沢山こなしながら多くの曲の歌詞を覚えていく事で、滑らかな音程の移行と表現力を身に着けていって下さいね。